【怪奇小説】子どもの声が聞こえないシリーズ第1弾
※
安房峠は落武者が信州へ向かうもう一つのルートだった。
冬は雪が道を閉ざし
夏は獣と野人が襲ってくる
大人でも超えるのが大変なところ
子連れは無理
女は家と子どもの狭間で涙を流す
安房峠手前の高山には奇妙な人形が残っている
顔のない猿
さるぼぼ
上高地の猿
子供の顔の猿
何があったのだろうか
女たちは子どもを猿に託した
女たちは身軽になった
だからといって峠を越えられた訳ではない
安房峠とさるぼぼ