<記憶の断片>光る石

 

親知らず子知らずを北に抜けると

姫川が海に入る場所に出る


姫川は信州の山際を窮屈そうに流れる

雨が降ると急流となって川床をえぐり深い切れ込みを作る


たまらず流れに放り出される石の中に光るものがある


翡翠


カワセミが水を潜り

カワセミの瑠璃色は水の中で光を放つ石になる


女は子供の手を放し

水の中に手を潜らせ

光る石を掴もうとする


支えを失った子どもが小さな声を上げ、

水の中に隠れる

猿の鋭い叫び声が谷間を走る


我に返った女は

子どもを抱き上げ抱きしめる

母親の顔に戻っていた






姫川の源流は今の白馬辺り

神話が眠る

糸魚川。下流付近に集まる漁業から来た名前だが、河川名にするほどの長さもなく消滅したが、地域名(都市名)として残っている。


PV

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